うっとおしい位の蝉の鳴き声を聞きながら私は窓の外を見た。

ベランダには、銀髪を輝かせ妖艶に微笑む秀麗な顔立ちの鬼と闇に紛れる程真っ黒な艶のある髪の美しすぎる雪女がベランダに立っていた。

「前から言ったよな…頼むから家に来るなと…」

『久々のお出迎えは嫌でしたか?』

『久しぶりに俺も来てしまいました。主様』

まったく……相変わらず騒がしい野郎共だ。私は苦笑しながら、髪を結い上げた。