いつ見ても、でかい・・・。


門の前まで来たが、横を見てもずーっと壁が続いてる。


どういうこっちゃ。


「結良(ゆうら)一家のご子息、ヒサさんの御用で参りました。ルイです。」


そう言うと、ギギィッと音を立てながら開く木の門。


門の隣にある【結良】の表札を横目で見ながら俺は、大きく一歩踏み出した。


『ご無沙汰してました!柚木さん!』


ドラマや漫画などでよく見る風景が目の前に広がる。


組の下っ端連中が、俺に頭を下げながらきれいに玄関までの道を作っていた。


俺は、別に組に何ら関係もないからしなくていいとこの前言ったはず・・・。


柚木は、俺の名字。


【柚木瑠唯華(ゆずきるいか)】


それが俺の本名である。