次の日、学校に行くと元気くんが私に寄ってきた。


「彼方ちゃん、おはよう!」


「お…はよう」


昨日の今日で何か気まずい。


「ねぇ、昨日何してたの?」


昨日…


「何で…?」


「昨日の人誰?」


何で…


「ちょっと屋上行かない?」


全力で首を振って断った。

今の元気くんは怖い。何か…笑顔が黒い。


「いいじゃん」


元気くんに手を掴まれて屋上に連れて行かれた。


バタンッ


屋上の扉が静かにしまった。


「ねぇ、彼方ちゃん。昨日さぁ、何してた」

元気くんの声が低くなった。


「……な…にも…」


ヤバい…震えてきた。

「彼方。ふざけるな」

今まで“彼方ちゃん”だったのに…

元気くんが一歩前に歩いた。

それと共に私の足が一歩下がる。