「……おまえ。
これ、かけてろ」


五十嵐くんがスッと足を止め、ジャケットを脱いだかと思えば……。


「……えっ!?
なんで……?」


あたしの肩に、脱いだジャケットを羽織らせた。


場所は、さっきとあまり変わらない、プールサイド。


おまけに、春だというのに、今日の日差しはけっこう強い。


だから、ノースリーブワンピのあたしでも、全然寒くなんかないのに……。