「あ、陸くん達だ」 楓ちゃんが、ひょこっと体を斜めにして、あたしの後ろに視線をやった。 ……と同時に、 「じゃあ、僕、行くね」 と、楓ちゃんはあたしに、小さく手を振った。 「う……うん。 じゃあ……」 楓ちゃんに向かって、あたしも小さく手を振り返すと……。 楓ちゃんは、あたしの横を通り過ぎざま、こう言った。