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「……変な、夢?」


本当に夢だったの?

うん、確かに途中まではいつも見る夢だった。

真っ暗で闇に捕まって動けなくて。

でも、


『ただの通りすがりです』


あれは?

彼だけが妙にリアルで――。


♪♪~#~~♪♪~~~


携帯のアラームが鳴る。

それを止めて小さく息を吐く。


「万里ちゃん、朝よ」


抑揚のないママの声。


間違いなく、ここは現実だ。