「何で瞬はあたしの事、キライなんだろう…」


ワケわかんない…。


「瞬のバカヤローっ!」


そんな事を1人で言っていると………

急に女の子達が廊下で騒ぎだした。


何で盛り上がってるのか気になるな~…。


そう思ったあたしは壁に隠れて様子を見た。


「ねーねー見てっ!これーっ!
貰ってきちゃった!瞬くんのペンっ♡」


えっ……?


「うそ~!ありがとー♡」


1人の女の子がペンを受け取った。


あのペンは今朝瞬が

『俺はこのペンが一番いいんだよ。』

って言ってた物だ!!


「どうやって貰ってきたの!?」


「食堂の椅子に掛かって
あった瞬くんの服の中から//」


「きゃーっ!!凄い!!」


えっ…!ちょっと…それって……だめじゃん!


「待って!」


あたしは思わず壁から顔をだした。


「えっ!?」


女の子達は驚いた顔をして

あたしの方を見ていた。


「そ…それ、泥棒じゃん!返してきなよ!!」


あたしは思ったことをそのままぶつけた。

でも、彼女たちには伝わらなかった。


「な…何?ペン位いいじゃないの!」


女の子達が逃げるように後ろに下がる。


「駄目。それは瞬が大切にしてる物だからっ!」


あたしは女の子達に詰めより、

ペンを持った女の子の腕を掴んだ。


「何?瞬くんの彼女気取り?離してよっ!!」


―――ドンッ…


「きゃっ…!」


あたしは女の子達に突き飛ばされてしまった。


「あ…あんたが引っ張るからよっ!行こっ…」


慌てた様子で彼女たちは走っていった。