………あっ…。


皆はチョキで私だけがパー…。


「あたしの負けだね…。」


あたしがそう言って真凛ちゃんに笑いかけると


「ついてないわね。あなた。
瞬の分も買ってきてちょうだいね!!」


と真凛ちゃんは小さく笑った。


待ってよ……瞬って伊原瞬?

何であいつの分まで…。


うーん…?まぁいっか!


「うん。それじゃあ行ってくる!!」


「俺たちのもよろしく!」


後で数人の男の子が廊下から

顔を出して声をあげた。


「えぇっ…じゃあ1・2・3・4・5……12人!わっ…分かった。まっててねっ!!」


あたしは雨の中、自販機まで走って行った。


寮から出ていいのは夜の7時まで。

早くいかなきゃ間に合わない!!


あたしは少し濡れた服を気にせず、

急いで自販機へかけていった。


そしてようやくの思いで自販機にたどり着き、

自販機にお金を入れて人数分買った。


………買ったのは良いけれど…。


「はぁ~どうしようっ!」


こんな数持ちきれない…。手が一杯で走れない!!