授業中。
ボクはシャーペンをクルクルまわした。
もちろん勉強なんて暇。
ノートも真っ白で教科書は開いてない。
ま、こんなのでも成績は学年トップなんだけどね。
暇なときはもちろん奏のことを考えてる。
今、奏何してるのかな?
確かA組は英語だったかな?(ボクはB組)
わかってるのかな?
頭の中は奏でいっぱい。
「千代、お前これ解いてみろ。」
担任の山田がチョークをこっちに向けている。
「えー、わかんな~い。」
とっさにボクは隣の南ちゃんの手を握った。
「この問題、南ちゃんが解いてくれない?」
涙目で頼むと南ちゃんは頷いて
「わかった!絶対解いてみせる!」
と、いつもより高い声で言った。
「い~な~」とか「うらやましぃ」とか声が聞こえる。
ボクは席に着いてまた、奏のことを考える。
放課後、奏とルナちゃんでカフェ行こうかな?
奏、部活あるのかな?(ボクは帰宅部)
とにかく、早く奏に会いたいっ!
キーンコーンカーンコーン
鳴った。
授業終わった。
やっほーい!
もうすぐ会えるぞ!
ボクは挨拶を待たずに教室を出てA組に向かった。