綾乃side


……結城先輩が好き。

その気持ちに気づいてからは、なるべく結城先輩のことを考えないようにした。

それでも……先輩への想いはますます大きくなる一方。


この前、廊下で見かけた。

音ちゃんと話す結城先輩を……。

二人ともすごく幸せそうで、音ちゃんの頬はほんのり赤くなっていた。


……これでいいんだ。

これが……一番良いんだ。

そう必死に自分に言い聞かせた。


「ん~……」

「音ちゃん?」


そんなある日。

音ちゃんが唸りながら一生懸命頭を働かせていた。


「人数が……足りない」

「人数……?」


あの……何の話ですか?