湊side


『矢崎音羽です!
よろしくお願いします!』

『結城湊……。
カッコイイ名前ですね!』

『先輩、頑張ってください!』


初めて会ったときから……何となく気づいていた、この気持ち。

誰よりも小さくて、でも誰よりも一生懸命で。

たまにドジるとどうしてもみんなが手を差し伸べたくなっちゃう、そんなヤツだった。

俺が部長になったとき、誰よりも先におめでとうと言ってくれたことが嬉しくて。


「あー……何で俺、こんなに悩んでんだろ」

「出た、湊の音羽病」

「隆やん……」


鈴木隆也―スズキ タカヤ―

通称、隆やん。
同じバスケ部で俺の友達。


「早く告ればいいじゃん」

「……それができたら苦労しないっつーの」