【 おまけストーリー 】


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「実は今日、午後から休みを取ったんだ」


みんなでワイワイと食事する中で、龍輝さんが笑う。


「本当はクリスマスの時に驚かそうと思ったんだけど、“今日にしよう!!”と唐突に思って。
で、仕事も今日は割りと時間あったから、思い切って早退した。
メシとケーキ作りに合計4時間くらいかな?
久しぶりだったから結構時間かかっちまったけど、でも色々作れて楽しかった」


クリスマス…。

そっか、だからローストチキンにピザ、シーザーサラダに山盛りフライドポテト、ポタージュスープにチーズフォンデュ…、
そしてフルーツがたくさん乗った生クリームのケーキ。

…こんなに豪華な食事が用意されていたのは、今日をクリスマスに見立てていたからなんだ。




「今度のクリスマスは、お前にとったら高校最後のクリスマスだろ?
俺たちはもう別々の生活を送ってるし、お前と優が卒業したら、仲間はもっと別々の生活になる。
俺とお前、大雅に朔也、健吾に優、そしてマコっちゃんに綾ちゃん。
全員が揃うのは多分今年が最後だから、本当はそこで言おうと思ってた。

それにクリスマスは、俺たちが出会った特別な日だから」


…特別な日。


龍輝さんが言っていた“特別な日”は、クリスマス…。
だけどそれを今日行ったのは、私が泣いたりして迷惑をかけたからだ…。