「華菜ぁ―」
―――名前を呼ばれたから、
もたれて立っていた扉を開けると
そこには、
最早見慣れた光景があった。
「やっと終わったの?今日はずい
ぶんと長かったね」
「ん〜。今日のは、見た目のわり
に旨かったからつい」
「……そう。どうでもいいけど、
殺さないでよ?」
「はいはいはいはい…。わかって
るって。テメェは母親かよ。…ま
ぁ、あとはよろしくな〜。教室に
いるから、終わったらこいよ?も
たくさしてたら、先に帰っちまう
からな?」
手をヒラヒラさせながら
そう言い、教室を出て行く男…
あたし、
鈴原 華菜(スズハラ カナ)の、
幼なじみ…こと、
伊集院 瑠樹(イジュウイン ルキ)。