むかしむかしあるところに、一匹のぶたさんがいました。

 ぶたさんは、自分がぶたさんである事がいやでいやで仕方がありませんでした。 自分が好きになれないのに、周りが好きになってくれるはずもなく、ぶたさんはいつもひとりぼっちでした。 ぶたさんはその事をうとましく思いながらも、打開する術を持たず、また、持とうともせず、時間の経過を見送る事しか出来ないでいました。