ケータイ小説 野いちご

世界の終わりに、君は笑う

* 隠された真実は、過去で眠る




* 隠された真実は、過去で眠る


 サファイアブルーとスカーレットのオッドアイに、額には飛竜(ワイバーン)を表す、漆黒の紋章。
オッドアイが対になっている他は、瓜二つの姿を持つ二人の兄妹(けいまい)。
高い所に小さな窓がひとつだけある、その狭い部屋に、二人は閉じ込められていた。

「大丈夫?」

男の子が言った。
女の子はぐったりとしていて、壁に背を預けている。
彼女は何も答えない。

〝大丈夫だよ〟と、いつもなら微笑みながら、彼女はそう言っていたのに、今日は様子が違った。胸騒ぎが、彼を襲う。

「もしかして……」

彼女の頬に触れて、そっと顔を上げさせる。
どくん、と心臓が大きく脈打った。

「ねえ、笑ってよ……」

震えた声で、彼は言う。女の子の瞳は、虚ろだった。

「どうやって、笑えばいいんだっけ」

掠れた声が、聞こえた。
一粒の涙が、男の子の頬を伝う。
強く、彼女を抱き締めた。



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