「 ねぇ、お母さん 」




朝目覚めて、最初に思うのは
あきのことだった。




「 なによ 」


「 ・・・何で居るの? 」




もう少ししたら仕事行くし
私、家にいないよ、と言えば
朝ごはんを用意しながら
ケラケラと笑っていた。




「 連絡ないから心配してたのよ?
  っていうか夜中に電話繋がらないし 」


「 っていうか夜中に電話とか
  迷惑だからやめてよ 」


「 冷たい娘ね! 」




いつぶりなのか、温かい卵焼きと
白ご飯、お味噌汁と、って
超定番な朝ごはんを平らげて
私は身支度を始めた。




何でいるの、と言えば
心配だったから、とやっぱり
同じ答えばかりが返ってきて
へー、と気のない返事をして
私は家を出た。