ケータイ小説 野いちご

オトナの純情-最後の恋-

最後の恋
  6.まっすぐに見られない


結婚してから十カ月。四月に入って、ちょっと肌寒い日もあるけれど、概ねすごしやすくて、シフォンのミニ丈ワンピースという身軽さは心地いい。
にもかかわらず、わたしは気分がすぐれない。


「美里、体調はどうだ?」


カーディガンを羽織っていると、会社からいったん家に帰った譲が寝室に入ってきた。


「平気」


ぶっきらぼうな声と一緒で、きっと仏頂面になっていると思う。

今年は三十になろうとするのに大人げない。

わたしの都合で、譲に非はない。


「無理しなくていい」


今日は譲の会社で新人の歓迎会があって、わたしも呼ばれている。

けれど、このところ調子が良くない。


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