ケータイ小説 野いちご

オトナの純情-最後の恋-

最後の恋
  3.好きだって叫ばせて


匠を追って、同じ大学ではないけれど東京の大学に進学し、そして、匠がいる業平商事への就職までたどり着いた。

こっちでは遊ぶのをそっちのけにして、思いついたかぎりでいろんなことを学んできたつもりだ。
そうしなければ、追いつけない。


国内だけではなく世界に名立たるトップ商社へ入社できたという結果は、わたしの自信になった。

新入社員の一カ月研修でも、なんとかついていけそうな手応えをつかんだ。

そこが機能しなければ経営は成り立たないという営業部に配属されたのは、手応えの裏づけになって、がんばってきた自分を褒めたいくらいだ。


匠のことは、地元にいる子から嫌でも情報が入ってくる。

あれ以来、高校ではだれとも付き合わなかったことで、わたしの気持ちを悟ったらしい。

またもや、お節介だ。

だから、匠に会いにいこうと思えば行けた。

けれど、会ってしまえば際限がなくなることをわかっていたし、だからこそ、何も証明するものがなかったわたしは近づけなかった。


でも、いまなら匠もきっと認めてくれる。


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