ケータイ小説 野いちご

オトナの純情-最後の恋-

最後の恋
  2.おまえの好きってなんだ


二年生に進級すると、匠の傍にいたのは、匠の“お兄さんのカノジョ”だとわかって、わたしは後先考えず告白に走った。


匠たちは体育館の入り口にある階段のところで、いつもたむろしている。

校舎から体育館に通じる、渡り廊下へと曲がる寸前で匠をつかまえた。


「上戸さん、好きなんだけど、わたしと付き合ってくれない?」


先輩ということを無視した不躾な告白をどう思ったのか、匠は興味ないと云わんばかりで背を向けた。


「上戸さん!」

「そんな気ない」


振り向いた匠は、一言でわたしの告白を退けた。


自分から誘ったこともはじめてであれば、もちろん断られたのもはじめてで、わたしは戸惑った。
そのすえ、断られてもはね除けけられても付き纏った。

わたしの噂は匠の友だちが聞きつけたようで、何回めか、立ち去る間もなく背後から告げ口が耳に入った。


「噂、だろ」


匠が友だちに返した一言はうれしくもあり、そして、もやもやしたものをわたしのなかに生んだ。


それが何かはっきりしないまま、その一言に頼って押しかけていたら、いつの間にか追い払う言葉はなくなって、話しかけてくることはなくても仲間内のなかで一緒にいられるようになった。



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