慌ててページをめくると、すぐに衝撃的な見出しが目に飛び込んで来た。


『ベリーズのヒロミン 熱愛発覚! 男と同棲!?』


 そして俺と宏美がアパートの外階段を並んで上がるシーンと、ドアを開けて中に入るシーンの2枚の写真が載っていた。


 それらは間違いなく、一昨日の晩、CDショップから戻った時のものだ。あ、そうか。あの時光ったと思ったのは、盗撮のためのストロボだったのか……


「川島、俺は帰る!」


 俺は雑誌を丸めてギュッと握り、川島に向かって叫んだ。


「ああ、そうしろ。その内マスコミが押し寄せてくるかもだからな」


「いや、そんな事より宏美が心配だ」


「あ、ああ、そうだよな? 上司には俺から言っとくよ」


「頼む。じゃっ」


 俺は会社を飛び出すと、今来たばかりの道をUターンし、大急ぎでアパートに向かった。報道陣に囲まれ、もみくちゃにされる宏美の姿を想像しながら。