数日後の昼休み。今日は川島と牛丼を食っていた。


「なあ、神谷。このところちょっとばかりテンション低くねえか?」


「そうか……?」


「そうかって、その言い方からして暗いんだよなぁ。ねこちゃんとうまく行ってねえのか?」


「そ、そんな事ねえよ」


「あれ? 図星か? 何だったら俺が相談に乗ってやるぜ?」


「え? あ、ああ……」


 川島に相談か……。それもいいかもしれない。川島なら俺の気持ちを解ってくれるだろうし。


 俺は“ねこ”がヒロミンだと知ってから、ずっと迷い続けている。このままでいいのかどうかを。


 ねこ、いや宏美は、ヒロミンに戻りたくないと言った。俺との生活が楽しいと言ってくれている。実際、いつもニコニコしてて楽しそうだ。


 だが俺は知っている。毎朝早く起きてジョギングをし、ストレッチや何かのダンスをしているのを。たぶん、体が鈍らないように……