「ちょ、ちょっと、やめてよ!」


 途端に、ねこに強く拒絶されてしまった。残念ながら俺の勘違いだったらしい。


「ごめん」


「ねえ、誰か来たみたいよ?」


「こんな夜中にか?」


「うん。だって、チャイムが鳴ったから」


「そうか? でも気持ち悪いし、いたずらかもしれないから放っておこうぜ?」


 そう言ったそばから、玄関からチャイムの鳴る音が聞こえた。


「ほら、やっぱり誰か来たんだよ。誰が来たのか見て来てよ」


「ん……わかった」


 いったいこんな夜中に誰だろう。めんどくせえなぁ。

 俺は渋々ベッドから降り、玄関へと向かった。