「優子!全く・・・。」

「あ、ごめん・・・。」


私、中西優子。高校1年。


鈍くさくて自分でもイヤになる。

この子は、心友の松原奈緒美ちゃん。通称なおちゃん。


「優子?全く。ちゃんとしないと委員長に怒られちゃうよ?」

「あ、うん・・・。」

「ちょっと中西さん。ちゃんとしてよね。」

「あ、ごめんなさい・・・。」


また怒られちゃった。


「ごめんなさい。今日は帰るね。」

「え、ちょ、優子!?」


私はかばんを持ち、足早に教室を後にした。

とにかく教室にいたくなかった。

だって、私はあのクラスが嫌いだから。



委員長も、威張ってばっかりだし、仲良しな人いないし。

それに、私はこの内気な性格のせいか、掃除を押し付けられたりする。

そのつど、断るのはなおちゃん。


「はぁ・・・・。」

「ため息つくと幸せにげっぞ。」

「・・・は?」


この人何いってんの?


「あの、私の幸せが逃げようとあなたには関係ないんで。」

「それがあんの。俺あんたに一目惚れしたし。」

「は?あなた誰ですか。」

「俺?橋本健吾。」


橋本・・健吾?


「あの不良の!?」

「・・不良?」

「うん!だって、めっちゃ目が怖いって噂だったから・・・。でも、優しい目だね!」

「・・・そうか?」

「って、タメだめジャンね!」

「いや、そのままタメでいい。それに呼び捨てで。」


健吾はにこっと笑った。