悟君に連れられ、パーティー会場へと入った。


予想通り…周りから悟君への感嘆の声と同時に私への不信の視線…。


悟君は、私の腰に手をまわし、甘い王子様スマイルで挨拶している。


腰の手にぐっと力を入れた悟君を見上げると、笑顔で見つめられた。


はいはい、言われた通りしますって…。


仕方なく笑顔を作る。
…悟様のようには無理…。


楽しく…楽しく…って無理――。


「菜緒? 大丈夫か?」

優しい声で囁く悟様。


不覚にも顔が赤くなってしまった。