路地裏から、人を殴る音と、声が聞こえてきた。



「クソッ…!何でこんなに…、強いんだよ…」



『あれ?俺のこと知らない?珍しいなぁ。』



そう言って、ある人物は倒れている男を蹴った。



「ウッ、誰だよ、お前…」



『いーよ。教えてあげる。』



そう言ってある人物はニタァと笑って、



『俺の名は…、“月光”ね。』



そして冷たい目で男を見下ろした。



男は青ざめて、



「いっ、命だけは…!」



『人聞き悪ぃこと言うなぁ、アンタ。俺命取ったことねぇし。』



その言葉と同時に男の叫び声が上がった。