僕には綺麗な教科書がある。


綺麗な体操服だって、上履きだってある。


靴の中に画鋲なんて物騒な物も入っていない。



しかし、僕はこの教室から存在を抹消されている。


高校でのイジメは、小中学校に比べて陰湿でずる賢く、証拠を一切残さない。


つまりは言葉や態度によるイジメである。


そして、教師の前では仲が良さそうに演技をするのだ。



僕はおとなしいせいか、昔からイジメの標的になりやすかった。


しかし、高2になった今、僕はこの現状に耐えられなくなってしまった。


身体的に傷付いている訳ではない。


具体的なイジメを受けている訳ではない。


しかし、僕は確実に傷付いている。


そんな本音を隠して、僕は何事も無かったように今日を過ごすのだ。


聞こえる罵倒も


聞こえないフリをして。