ケータイ小説 野いちご

中指斬残、捌断ち儀

2009年~



(一)


伯母さんがいなくなってから半年以上が経った五月終わり。


14回目の誕生日を迎えてから、僕は“変なもの”を見るようになった。


家の敷地から出れば毎日のように、必ずと言っていいほど変なものは僕の視界に入る。


去年見た僕の呪いの具現とは違う、日常の中に“ひっそりと紛れるもの”を幽霊と言っていいか分からない。


カラスの群れに一羽だけ、真っ赤な鳥がいたり。

すれ違ったサラリーマンの首に白い縄が引っかかっていたり。

水溜まりの中を泳ぐ眼球だったり。

麻袋で両腕を隠した女の人を見たりと、僕が会うものは特殊だった。


幽霊と言えば、ゆらゆら蜃気楼の人間のイメージなのに、僕が見るものは違和感なくもともとそうであったかのようなものばかり。日常に“溶け込んでいる”ようなそれらを僕は恐怖せず、「あれ」と思うだけだった。



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