ケータイ小説 野いちご

中指斬残、捌断ち儀

2008年~



(一)


中学生になったところで、五十鈴さんと藤馬さんは僕への接し方を変えない。


五十鈴さんはまだどこか過保護な感じであり、藤馬さんに至っては唯我独尊ぶりを維持している。


「詰襟学生服似合うって、かーっ、根暗陰気まっしぐらじゃねえか」


「お前の目は節穴だな。真面目さが溢れ出ていて、立派な佇まいだ」


公立の中学に進学したばかりの僕の制服を見ての感想は、どうにも照れくさい。


中学の入学式は三日前に終わって、進学しても小学校とあまり変わらないと思っていたのに、二人からこうして言われることで制服姿の自分が『ああ、成長したんだ』と改めて思えた。


「だいたいよー、小柄なくせに、なにそのブカブカ。ガキがふざけてスーツ着てんのと変わりねえなぁ」



< 393/ 1127 >