ケータイ小説 野いちご

いつも何度でも

現在
愛し合う鳥


日曜、ついに初デートの日。

悩むほど服を持ってない朱里は、結局ジーンズにTシャツ、半袖のパーカーを選んだ。

まだ、約束の時間まで一時間以上あるから、本でも読もうと池波正太郎の「鬼平犯科帳」を手に取った。

ベットにダイブして読み始める。

至福の時。

突然、玄関のチャイムが鳴った。

えっ 森さん?

慌ててモニターを見ると、

「おはよう。開けて。」

二人が立っていた。

「あ~、やっぱり。初デートにそのやる気のない服、あり得ないわ。」

美奈子が頭を抱える。

「しかも、『初』デートの前に「鬼平」読んでる女子大生ってどうよ。」

裕子が『初』を強調して呆れ顔で言った。

朱里の本棚には、池波正太郎、藤沢周平、山本周五郎、司馬遼太郎、佐伯泰英等、時代小説しかない。

「その上、まさかのノーメイク。今時、中学生だってデートの時はメークするわよ。」

美奈子の嘆きに裕子が、

「時間がない、美奈子急ごう。」



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