ケータイ小説 野いちご

いつも何度でも

過去
籠の鳥


やっと中間テストが終わった。

グラスメートは皆解放感いっぱい。

「カラオケ行こう!」

「ね~スタバ行こうよ」

誰も彼女を誘う人はいない。

帰宅して、朝の食器とリビングを片付けて、二階の自分の部屋に上がる。

着替えて、明日の予習を始める。

彼女の名前は「由紀 朱里(ユキ アカリ)」

「雪明かり」なんて存在感のないこの少女にぴったりの名前。

幼い頃から、父から「能力の低い娘」、母はから「冷たい娘」だと言われて育った。

「可愛げのない娘」だとも。

4歳下の妹は甘え上手で両親も可愛がった。

朱里は中一の頃、国語のテストで80点を取ってしまい、父から酷く殴られた。

自分の部屋で泣いていたら、母がやって来て、

「あなた、わかってるの?お父さんに恥をかかせて。情けない。」

と吐き捨てるように言われた。

それから、テストでは、90点以下は取っていない。

当然成績は学年トップクラス。

少しでも順位が下がれば、母からは嫌みを言われ、父からは怒鳴られた。

それでも認めて欲しくて、愛されたくて努力した。

朱里は次第に心から笑わない娘になった。

笑っているけど、目は笑っていない。

心を閉ざして愛想笑いを続けた。




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