「もうすぐテストだね~。あたしヤバイよぉ~」


放課後、下駄箱に向かう途中で、そう言って乃亜が口を尖らせた。
そっか……もうそんな時期か。
ヤバ…あたし学校休みすぎて、全然勉強分かんないよ。
どうしよう。


「あっ。晴に教えて貰お~♪」


隣で頬をピンクに染めて、ニコニコ笑う乃亜は本当に可愛い。
素直で、無邪気で、可愛くて……。
あたしとは正反対。



「…そだ。梨華も一緒にやろ!休んでて分からないでしょ?」
「…うん。ありがとう乃亜」
「ううん!気にしないで~」


笑う乃亜に、あたしも笑みが零れた。



―――――バサバサバサッ



自分の下駄箱を開けた瞬間、大量のノートが落ちて来た。
突然のことに驚いてしまう。


「何なに?どうしたの?」


乃亜が小走りで近付き、落ちたノートを覗き込んだ。