「…好き、です」





夏も終わりに近付いて来た頃。
あたしは告白した。


入学式で一目惚れして、ずっと1年と5ヶ月片想い。
同じクラスになれた時は、泣いて喜んだっけ。


大好きな高杉晴(たかすぎはる)くん。
彼は皆に人気で、競争率が半端なく高い王子様的存在。
そんな彼に今告白してるあたしは、馬鹿だろうか?



高杉くんは黙り込み、あたしはスカートをギュッと握って返事を待っていた。
うるさい心臓……。
セミの声が、夕日の差し込む教室に響く。




しばらくの沈黙の後、高杉くんは顔を上げ、あたしを見た。