「葉山君、帰ろ?」

「おぅ」

私と葉山君がつき合いだして、1ヶ月になろうとしてる。


「……また、いやがるし」

「え?」

葉山君が窓から外を眺めて、ため息をついた。


私も窓から見ると、1人の男の子がいた。


金色のメッシュに、ピアス、着崩した学ランから見える赤いTシャツ。

まさに、不良って感じの人が校門前にいる。


「誰なの?」

その人から目を離して、葉山君に向く。


「中学ンとき、つるんでたヤツ。まあ、唯一の『仲間』ってヤツだ」

「へえ……。初耳」