「……ろ」



……ん



「……い…ろ」



何か聞こえる……



「未来、起きろ」



誰かあたしの名前を呼んでいる……



「未来……起きないとキスするぞ」



「……」



――ガバッ



「はぁ―……やっと起きた」



制服姿であたしを見下ろすようにして立っていた一ノ宮くん。



「な、な、なっ……」



「は?何のモノマネ?ふざけてないで、早く下りてこいよ」



「な、なんでここにあんたがいるのよっ!!」



驚きと戸惑いから、なかなか出てこない言葉を必死に出した。