ゴロゴロゴロッ…

雷の音が薄暗い街中に響きわたる。

空には重く黒い色の雲が広がり、時折金色の稲光を走らせる。

雷の力というものは凄まじく、あえて雷を落として何かの力に利用するという話を思い出しながら、わたしは歩いていた。

あの日から数日が経過した。

しかしわたしは特に何も変わってなく、そのことをクラスメート達は不思議に思っていた。

そしてとある説を言い出す。

―『魔女』に逆らっても、大丈夫なんじゃないか?

無事である証人が、わたし自身なのだから何とも言えない。

だけど段々とその話は広まっていき、前ほど彼女の周りには人が集まらなくなった。

そして陰口を言う者も徐々に増えてきた。

「栄枯盛衰ってね。一度は栄えても、枯れるのが世の理り。誰も何もソレには逆らえないからこそ、平等な世の中とも言える。―そう思わない?」

人気のない広い公園に入ったところで、わたしは歩みを止めて声をかけた。

学校からずっとつけられていることに気付いていた。

だからここまで連れて来たのだ。

「ど…して? 何でアンタは無事なの?」

声も表情も荒らげたのは、『魔女』こと鈴だった。