栞SIDE


いとこの真紀が言った突然の言葉。



「俺は栞の彼氏!」



見る見るうちに紫苑君の表情は曇っていった。



そして、怒って電車を出て行ってしまった。



紫苑君...。


「真紀の馬鹿!」


私もあせって紫苑君を追いかけた。



やっとのことで声の届く位置に来たと思った。



「紫苑君、待ってっ!」


私はありったけの声で叫んだ。


でも、伝わらなかった...。


「ついてくんなよ!」


紫苑君はすごく怒った顔で怒鳴った。



私の目に涙があふれる。


嫌われちゃった...。