「何もしてきませんわねぇ」

ツマラナイ、という感情を顔に出しながら、リリスは呟いた。

「今日が最後の日だからな。何か仕掛けてくるなら、これからだろう」

昼休みも終わりに差し掛かる頃、リリスとマカの二人は誰もいない屋上に来ていた。

マカは昼食はミナと共に教室でとった。

その後、リリスと話をする為に屋上へとやってきたのだ。

屋上は立ち入り禁止となっている上、リリスが誰も来ないように術を施しているので、二人っきりだった。

「―で、直接サクヤを見た感想は?」

「やはりただの人間ではありませんね。しかし迂闊に近付けない雰囲気を持っています。マカ先輩は大丈夫なんですか?」

「ん~。これといって体調や気分に変化はないな。まあそもそも私はそういうのが効きにくい体質なんだ」

「それは生まれつきですか?」