「彩菜、ちょっといいかしら?」



「ん?別にいいよ。」



おばあちゃんは回りに誰もいない事を確認するとあたしに目でソファーへ座るように促した。



いつもとは違うおばあちゃんの雰囲気にあたしの背筋も無意識のうちにピンっと伸びる。



「彩菜、急だけど…京都に行ってきなさい。」



「…は?何の話?爺ちゃんからはそんな話し聞いてないよ?」



「当たり前よ、ばあちゃんが今言い出した事だから。

それに言い方間違えたわね、彩菜…。



‘幕末’に行ってきなさい。」



「……は?」



ばっ……幕末!?



幕末って……あの幕末!?