桜が咲いた。
そして、恋が始まった――.....
吐き気がする。
こんなこと現実ではありえない。
ありえないことが世の中では支持されている
自分でもおかしいと思う。
こんなことで恋に落ちるなら世の中は素敵なピンク色だ。
余計な思考回路が働いたのでふとケータイから顔を上げると幼馴染が走ってきた。
「咲良ーっごめんっ寝坊した。早く行こ。」
「落着きなって。愛美が寝坊するのは分かってたから待ち合わせ時間を30分早くしたの。気づかなかった?」
「ほぇ?」
おっちょこちょいな幼馴染。篠崎愛美。世間一般でいう〈美人〉な為、しょっちゅう呼び出されている。ちなみに去年の記録は150人。性格もいいため、勉強以外は完璧なオンナノコ。
「本当だ…じゃあ今日は余裕だねッ」
おまけに天然。
「そうだね…本当…珍しいこともあるわね…」
学校までの坂道は生徒で溢れていた。しかも道の左右に植えられている桜が散っている…
「ねぇ。EYEの新刊読んだ?」
「読んだ読んだ!あれ良かったよね~」
「特に最初の所。すごく良かったー」
EYE。今大人気のケータイ小説家で女子中高生に支持されている。そして、
本名。神崎咲良。
「くだらない。」
思わず口に出してしまった。振り返る女子生徒は驚いた顔をして私を凝視する。
「なっ…あなた、何言って…」
「くだらないって言ってるの。分からない?そんな恋愛。世の中にあるわけないじゃない。だいたいそれ書いた人頭おかしいんじゃないの?」
「ちょっと。咲良。」
「そ、そんなこと無いわよ。だいたい頭おかしいって…」
隣にいる愛美は必死に私を止めるがもはや私の耳にはそんな声届かない。
「ケータイ小説?横書きの読みにくい本じゃない。」
「そ、そこまで言わなくてもいいでしょう?」
「EYEに失礼じゃない!」
「もしこの会話がEYEの耳に入ったら新刊書かなくなっちゃうかもしれないでしょ!?」
書きたくない…ケータイ小説なんて…
「綺麗な文章書けるんだから貴方よりはよっぽどEYEの方が…」
あんな文章は綺麗じゃない…
「もう書かないわよッ。」
爆発した。手に持っていたケータイを投げ捨てて走った。
そして、恋が始まった――.....
吐き気がする。
こんなこと現実ではありえない。
ありえないことが世の中では支持されている
自分でもおかしいと思う。
こんなことで恋に落ちるなら世の中は素敵なピンク色だ。
余計な思考回路が働いたのでふとケータイから顔を上げると幼馴染が走ってきた。
「咲良ーっごめんっ寝坊した。早く行こ。」
「落着きなって。愛美が寝坊するのは分かってたから待ち合わせ時間を30分早くしたの。気づかなかった?」
「ほぇ?」
おっちょこちょいな幼馴染。篠崎愛美。世間一般でいう〈美人〉な為、しょっちゅう呼び出されている。ちなみに去年の記録は150人。性格もいいため、勉強以外は完璧なオンナノコ。
「本当だ…じゃあ今日は余裕だねッ」
おまけに天然。
「そうだね…本当…珍しいこともあるわね…」
学校までの坂道は生徒で溢れていた。しかも道の左右に植えられている桜が散っている…
「ねぇ。EYEの新刊読んだ?」
「読んだ読んだ!あれ良かったよね~」
「特に最初の所。すごく良かったー」
EYE。今大人気のケータイ小説家で女子中高生に支持されている。そして、
本名。神崎咲良。
「くだらない。」
思わず口に出してしまった。振り返る女子生徒は驚いた顔をして私を凝視する。
「なっ…あなた、何言って…」
「くだらないって言ってるの。分からない?そんな恋愛。世の中にあるわけないじゃない。だいたいそれ書いた人頭おかしいんじゃないの?」
「ちょっと。咲良。」
「そ、そんなこと無いわよ。だいたい頭おかしいって…」
隣にいる愛美は必死に私を止めるがもはや私の耳にはそんな声届かない。
「ケータイ小説?横書きの読みにくい本じゃない。」
「そ、そこまで言わなくてもいいでしょう?」
「EYEに失礼じゃない!」
「もしこの会話がEYEの耳に入ったら新刊書かなくなっちゃうかもしれないでしょ!?」
書きたくない…ケータイ小説なんて…
「綺麗な文章書けるんだから貴方よりはよっぽどEYEの方が…」
あんな文章は綺麗じゃない…
「もう書かないわよッ。」
爆発した。手に持っていたケータイを投げ捨てて走った。