教室に戻ると、すぐに恵美が駆け寄って来た。そして、


「どうだったの?」


 と聞かれ、


「うん……何とかなると思う」


 と答えると、恵美は勘違いしたらしく、


「へえー、さすがは彩花ね」


 と言った。

 教室で普通の声でペラペラ喋られても困るから、恵美には勘違いさせたままにした。


 そんな事より……


 私は高木千尋の側へ行き、「高木さん」と声を掛けた。


 高木千尋は教科書を開いて何かしてたけど、私の声にビクッと反応し、恐々って感じで顔を私に向けた。


 私はその顔を上からマジマジと見下ろした。


 この子……マジでブスだわ。