優奈は試合が終わったあと、家の車で帰っていった。

優奈の家の車は黒くて長いあの高級車だから、かなり目立ってたんだけど…。

優奈を見送った後、反省会が行われた。

 「…試合、おつかれさん。
  いい試合だった。」

先生はあたし達全員の顔を見てそう言った。

うつむき加減の佐伯先輩がいる。

 「俺たちがあそこで勝ってれば…
  関東が決まってた。
  でも、そこで簡単なミスをした。
  …だから負けたんだと思います。」

岸先輩が静かにそう言った。

 「祐輔達だけのせいじゃない。
  一戦目で俺たちが勝ってれば勝ち
  だったんだ。」

先生は何も言わずにただ話に耳を傾けていただけだった。

 「…気持ちの問題だったんです。
  俺、消極的なプレーばっかしたし。
  隙もあって、チャンス作っちゃって。」

しばらくして先生が口を開いた。

 「…もう振り返るな。
  また、明日あるじゃん。
  今日の反省点を忘れなきゃ大丈夫。」