*利玖サイド



花音が着替えてくると言って、自分の部屋に行った。



フッ…着替えてんのにな…?



つーか、馨と2人きりじゃん……。



そう思いながらも花音の弟の馨のほうを向くと、



馨はニカッと笑った。



「俺、利玖さんがねーちゃんの彼氏になったら、すげぇいいと思うなー」

「そうか?それは良かったよ」



嫌だって言われなくて良かった……。



馨の言葉に俺は少し安心した。



「でも…利玖さんとねーちゃんが付き合わないのって……ねーちゃんが楓って人のこと好きだから?」

「――…馨…お前…」



花音が楓のことを好きなのを知ってんのか…?



俺が聞くと、馨は渋い顔をして頷いた。