「……なっ何だよこれ?」

「……なぁに?☆」

「……毒?」

『これって……?』



目の前のソレを見つめて遥、由依、清龍、私の4人が顔を引きつらせる。


「何って、決まってるじゃないか。いつもお世話になっていることに対する、僕から君達への心ばかりのお礼だよ」


今日も妖しげな笑顔が美しいです、紫水サマ。



今日は3月14日。


斎賀邸にて。

ブラックな陰謀渦巻くホワイトデーです。




「お礼って……どう考えても悪意の固まりだろコレ!!」


紫水を非難する遥の言葉に大きく縦に首を振って頷く清龍。



「酷いな、セイまで。この間は僕の開発した睡眠導入効果のある青汁“悪魔の吐息”を美味しそうに飲んでくれたのに……」


紫水は傷ついたような顔をしてわざとらしくよろめく。


睡眠導入効果って……睡眠薬!?

名前からして、“青汁”なんて生易しいものじゃないよね。