北校舎一階の一番端に位置する理科準備室の窓から、私はグラウンドを眺めていた。

グラウンドでは胸元に赤い造花をさした私の同級生達が、写真を撮ったりしながら別れを惜しんでいる。

笑いあっている人、涙を流している人、校舎を見つめている人。

行動も表情も、皆違っているけれど。

その奥には小さな不安と未来への希望が、存在しているように見えた。


これから先、それぞれの道でたくさんの壁にぶつかり、なかには挫折してしまう人もいるだろう。

それでも、今の皆を見ていると。

全員が幸せになることを、願わずにはいられなかった。