ケータイ小説 野いちご

初恋タイムスリップ(成海side)

★成海side
prologue











-------小学6年-------




「お父さん、優・・大丈夫かな・・」


書斎で、パソコンに向かっていたお父さんに

声をかけた。



優が手術のために入院した。

ずっとおばあちゃんのうちにいたんだけど、

今日は、お父さんが休みだから、

家に帰ってきた。


「大丈夫だよ。大丈夫って信じよう」


お父さんはそう言ってまた、パソコンに向かった。


「ねえ・・優はどんな手術をするの?


頭を切るの?痛い?

死んだりしないよね?」



お父さんは、俺の顔を見て

パソコンの椅子からゆっくり立ち上がった。



「こっち、座ってごらん」


お父さんは、俺をパソコンの前に座らせた。


「これが、優がする人工内耳の手術だ」



お父さんのパソコンには、手術前や手術の様子、手術後の画像が、

生々しく写っていた。



髪の毛は頭半分ぐらい刈られていて、

耳の後ろから後頭部へむけて、

大きく「く」の字に傷口があった。


「こんな・・・」



俺は、あまりの衝撃に泣いてしまった。


「この画像は、他の病院での術例の画像だよ。

優の病院は、やり方が違う。

だから、東京まで行かせたんだ。

優を執刀するのは、人工内耳の名医だ。

大丈夫だよ。信じよう。

退院の日は、お父さんと一緒に病院にいこうな」



その日は、よく眠れなかった。

優が死んじゃったらどうしよう。

だってあんなに大きな傷が頭に・・・

可愛く笑う優には、もう会えないんじゃないかと思うと、

怖くて怖くて眠れなかった。




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