何分経ったのか
分からない



あたしは
携帯を持ったまま
階段に座り込んでいた






「おいッ!あかり!!」



遠くから
あたしを呼ぶ声がした




顔を上げると
ヒロさんがこっちに
歩いてきてた




「ヒロさん…‥」





ヒロさんは
あたしの前に立ち
しゃがんだ



「悪かったな。
遅くなって」



「ううん‥」




「あっちに車
置いてるから
行こ」




あたしは
ヒロさんの後を
付いていった




白のセダンが
コンビニの裏に
無造作に置いてあった



「これ
ヒロさんの??」



「うん
高ぇ買い物だったわ」



「かっこいいね」



「当たり前!
俺、間違った買い物
しねぇもん」



と言って
笑って話すヒロさん





「とりあえず
乗って」



「うん」



車に乗ると
ふんわり香る匂いが
心地良くて
リラックスできた



車の中の時計を見ると
9時半がこようと
していた




大分待ってたんだな…



時間なんて
全く気にして
なかったからね