あの涙を見てから…ここ数日、聖は自分の中に変化を感じていた。
気がつけば、舞を気にかけている。
賑やかに振る舞う舞の姿が、どうしても嘘に見えて…しょうがない。
「カグくんっ、この子…めっちゃ可愛くない!?」
テレビに映るピザのCMに、身を乗り出しているのは…1つ年下の実。
「あー、なんかピザ食いたくなってきたなぁ」
退屈そうにソファーにもたれて、聖は背伸びをする。
「俺はピザじゃなくて、この子が食いたいわぁ」
隣でニヤニヤとぼやく彼を、聖はあきれた目で見ていた。