勇心と別れてから…舞は何度もカグに連絡しようとした。

だが舞は、携帯の画面に彼の番号を表示するとこまではできても…最後の発信ボタンだけが押せなかった。

中途半端なまま…2ヵ月が過ぎた。


「舞ちぃ、食堂行こやぁ!」


クラスメイトの恵子が、財布を持って彼女の席にかけつける。


「あ…うん」


舞は席を立ち、ちらっと窓ぎわを見た。


「どしたん? はよ行かな混むで?」


教室のドア側から、せかすように声をかける恵子。


「あ…うん、行く行くっ」


舞は、教室を足早に出た。