────────
──────


「はぁ…。結局、眠れなかったな…」


朝の第一声は、ため息。

小鳥のさえずりが、かすかに聴こえる清々しい朝。
…のはずが、私は全然清々しくも何ともない。

それどころか、頭が痛くて思考もおぼつかない。




「あの男…、あんなこと言うからだよ…」


私は眠たい目を擦りながら、呟いた。




昨日は、散々だった。

白谷との契約。これからの関係。
〝偽恋人〟が果たして何を示しているのか。
それすらも、分からない。




「とりあえず、準備しなきゃ」


二階建ての家で、私の部屋は二階。
下から、お母さんの声が聞こえて、被っていたふとんを剥いで、準備を始めた。