.+*想い攫われて*+.





「ひっく……ふぇ…………」


どれくらい泣いたでしょうか。


涸(か)れることのない涙はわたくしの頬を流れ続け、その度に虹色のしっぽに落ちます。




ぽたり。





ぽたり。










ぽたり。











泣きすぎたせいで喉がヒリヒリします。


けれど、涙は涸れることはありません。




けっして。






それだけ、わたくしの中で瀬名さまが大きくなっているのでしょう。





他の殿方など考えられません。


わたくしにとって、王子様は唯一瀬名(せな)さまおひとりだけなのですから…………。





なのに……嫌われてしまった。






告白さえも拒絶されてしまった。






泡にもなることができないなんて――――――。



なんて残酷なのでしょうか。